今回AWS Summitに初参加してきたので、レポートを書きます。
AWS Summit Tokyo 2023とは
2023/4/20(木)、4/21(金)に幕張メッセで開催された日本最大級のAWSイベントです。
なんと今回は4年ぶりの現地開催です。私は去年オンラインでAWS Summitを視聴してましたが、今年は初めて現地で参加してきました。仕事の関係もあり4/21のみの参加です。
ちなみに私のAWS経験値はほぼゼロですのでご容赦を。
いざ現地へ
10時半から基調講演だったので、9時半頃に幕張メッセに到着しました。1日目はかなり並んでいたようですが、2日目のこの時間は待たずにすんなり入れました。先着2000名のお弁当引換券と、先着2800名のクッションも無事ゲット。特にクッションはパイプ椅子で痛めるお尻をかなり守ってくれました。1日中使いましたが、あまりヘタらず丈夫なクッションでした。
セッションレポート
個人的に気になったものを書き残します。
基調講演
2日目の基調講演ではデータ活用の事例やAWS re:Inventで紹介された最新技術の紹介が行われました。
AWS LambdaのSnapStart
AWS Lambdaはサーバレスで関数を実行できるサービスです。利用者はコードを用意してLambdaに設定しておくだけでクラウド上でプログラムの実行が可能となります。
Lambda SnapStartは去年11月に発表された新しい最適化プロセスの方法です。コールドスタートの処理遅延が課題となるJava11を対象にしており(現時点)、追加費用無しで最大90%の待ち時間を削減できます。SnapStart登場以前はコールドスタートの遅延問題からLambdaでの利用は多言語に切り替えたり、別の方法での構築の考慮が必要でしたが、この機能により従来より高速にJava11のプログラムをLambdaで動作することができるようになりました。
- 参考
ECS Service Connectとマイクロサービス
セッション「ECS Service ConnectでECS上のマイクロサービスの耐障害性と可観測性を高めよう」を聴きました。
聴講メモは既にクラスメソッドの方が投稿していらっしゃいますので、こちらを参照すると良いかと思います。
いつの間にか全て404になってました。詳細に書きすぎて問題になったのか何なのかよくわかりませんが、一応リンクは残しておきますが(復活するかもしれませんし)、2023/5/15現在は閲覧できません。
ECS Service Connect
サービス間通信で重要なのは耐障害性の仕組みと可観測性です。この2つをシンプルかつ追加設定なしで実現できる仕組みが昨年発表されたECS Service Connectです。Service Connect自体には料金が発生しません。ただしService Connectプロキシが利用するコンピューティングリソース分には料金が発生します。
- 耐障害性
- 自動リトライ
- NW障害や503エラー時に、自動リトライを実施します。
- これによりAppコンテナ本体はエラーを意識する必要がありません。
- 外れ値検知
- リクエストエラーが連続する場合にルーティングから一時的に除外します。
- 自動リトライ
- 可観測性
- Service Connect プロキシが収集するリクエストに関するCloudWatchメトリクスが利用可能です。
- 堅牢なデプロイ
- コネクションドレイニングによるダウンタイム無しのデプロイが可能です。
これからのサービス間通信の選択肢
信頼性を重視する場合に最初に選ぶべき選択肢がService Connectです。ただしもっときめ細かく外れ値検知やタイムアウト等のトラフィック制御をしたい場合もあるでしょう。そういった場合の選択肢としてはAWS App Serviceが有効です。外部からのアクセスが必要な場合にはELBを使う選択肢もあります。プロキシを利用せず少数のコンポーネントで構築し、個別実装で信頼性を導入したければECS service discoveryもあります。
このようにサービス間通信の実現方法には様々な種類があり、メリデメを考慮してアーキテクチャを検討する必要があります。このセッションではこれらの方法の違いが整理できとてもわかりやすかったです。
ニコニコの事例
「ニコニコでのクラウド活用、その意思決定とアーキテクチャ」
こちらのセッションもクラウドメソッドさんがレポートを投稿済みです。
https://dev.classmethod.jp/articles/aws-summit-tokyo-2023-report-cus-36/dev.classmethod.jp
Amazon VPC IP Address Manager (IPAM)
re:Invent 2021にて発表されたサービス。CIDR表のようにIPアドレスを自前で管理せず、VPC上でIPアドレスを自動管理・割り当てをしてくれます。ニコニコではLambdaを利用することでIPアドレス払い出しを自動で承認し、Transit Gatewayのオペレーションを自動化しているそうです。
ハイブリッドクラウド
「オンプレミスやエッジで 安全なアプリケーションの構築と提供を支えるAWSのハイブリッドクラウド」
こちらも(略) dev.classmethod.jp
最近オンプレ案件が増えているので聴講しました。AWS Outposts Server/Rackのように実機を導入してオンプレ環境でAWSサービスを使うような方法もあるんですね。面白かったです。現地には実物もありました。
最後に
AWSのことなんて殆ど知らないにも関わらず参加しましたが、かなり勉強になり、とても有意義な時間でした。やっぱりこういうイベントはモチベーションが上がりますね。特にこの記事では記載しなかったセッション「アーキテクチャ道場」では問題形式で要件に対する解決策を提示しており、これぞ目指すべきアーキテクトの姿だなと感じました。
是非来年も参加したいです(会社や上司の許可が下りればですが)。今回は資格なしで参加したのでラウンジには行ってませんが、次回は資格を携えて専用ラウンジに行ってみたいと思います。
戦利品です。